4月4日   さみしき一人相撲

 

 

はじめまして!

 

『桜井和也』です。

気軽にカズって呼んで下さい。

出身は長野県の諏訪市です。

高校では陸上部に入ってました。

趣味は映画鑑賞です。

最近になってスノーボードを始めたんですが、

やっているうちに面白くなってきたので、

このサークルに入って本気でやってみようかな、って思って来ました。

よろしくお願いしまーす。  b( ゚ー^)

 

 

きゃはっ☆♪

もう予行練習はばっちりだ。

気分は完全に桜井和也である。

 

「桜井く〜ん」

とか

「カズく〜ん」

って後ろから呼ばれても振り向けるように

昨夜、酒を飲みながら特訓をした。

自分に言い聞かせる。

オレは桜井。 オレは桜井。 オレは桜井。

花の18歳。 ・・・と。

 

今、オレは完全に桜井という仮想上の人物へと変身したのだ。

 

 

 

あぁ、4月6日のサークル紹介の日が来るのが楽しみだ。

じっと決戦の日を待っているのが耐えられなくなってきたぜ。

 

よし!

今日は大学に様子を見に行こう。

きっと本当の一年生も大学の様子見に来ているはずだ。

運が良ければ、今のうちから友達になって、

いっしょにサークル紹介の説明会に行けるかもしれない。

 

そうと決まれば前橋に様子を見に行くべし!

自称一年生のくせに初心者マークのはがれた車で、いざ大学へ!

 

しかし、普通に大学内の駐車場に車を停めるは危険だろう。

近くのスーパーに停めさせてもらって、いざ徒歩で大学へ!

 

 

 

大学までの道を歩いていると昔を色々と思い出す。

 

よく、この道を自転車こいでスーパーに食材買いに行ってたなあ。

ネギとかダイコンを袋からはみ出して帰るのが恥ずかしかったっけ。

あのころは料理するのが面白かったなぁ。

 

あぁ、あのアパートの4階によく行ってたなぁ。

もうフラれたんだけどさ。

今は誰が住んでいるんだろう?

なんか女性っぽい服が干されているなあ。

 

あのコンビニには、よく夜中に行ったなあ。

もう2度と行きたくねーや。

店長夫婦の顔が今でも鮮明に思い出せてしまうよ。

 

 

そんな感じで昔のことを思い出しつつ、昔通っていたキャンパスに到着。

やっぱり、こっちのキャンパスは華やかでいいね。

解放感があるよ。

どっかの無駄に8階建ての校舎とかがあるキャンパスとは違うよ。

 

さぁ、ここからが腕の見せ所だ。

キャンパス内では、一年生らしく振る舞わないといけない。

まずは周囲を意味無く見渡す。

上を見る。

左右をちらっとだけ見る。

そしてゆっくりと歩く。

これを一定のリズムで繰り返すことにする。

 

しばらく不審者のような歩きを繰り返すが、人がいない・・・。

なんか芝生で草刈りをしている実行委員らしき人達はいるのだが、

オレが期待している一年生や部活勧誘の人達がいない。

 

誰にも声をかけられずに学生掲示板の所まで来てしまった。

しょうがない。

ここで部活勧誘のビラでも眺めて声をかけられるのを待つとするか。

 

 ・

 ・

 ・

 

人が来ねぇ・・・。

おいおい、どういうことだよ。

ここには部活に入りたくて仕方ない一人の自称18歳の男がいるのだぞ。

誰かここまで来て声をかけてくれよ。

 

ふぅ、さっきから5分以上もビラを見ているのだが人が来る気配が無い。

ちょっとトイレに行って休憩しよう。

 

 

 

 

 

お!?

トイレから出ると2人組の男がいる。

半そでTシャツを長Tシャツの上に着ている

野球部のような格好をしている二人の男だ。

髪の毛は二人とも真っ黒。

 

おぉ!

もしかして、こいつら一年生じゃねーのか!?

 

どうやら掲示板で部活のビラを見ているようだ。

やった!

間違い無く、一年生だ!

早く声をかけて友達にならなくては!

 

と、思ったときに二人の話し合う声が聞こえる。

「なぁ、どのサークルに入ろうか?」

「やっぱりテニスだよ。」

「硬式? 軟式?」

「今まで通り軟式でいくつもり。」

「ふ〜ん、じゃあオレもテニス見てみようかな。」

 

はぅあ!

こいつらテニス部に行く気かよ!

しかも軟式テニスに入るですって?

う、それはちょっとまずい。

実は軟式テニスの方には友達とまではいかないが、

1年の時、ちょっと知り合った人間がいて、

そいつが代表者になっているらしい。

 

はっきり言って危険すぎる。

かなりの高確率でバレてしまうだろう。

「あんた、1年じゃないでしょ!」

って言われそう。

 

くそ、せっかく真の一年生と知り合うチャンスなのだが、

テニス部に入ろうとしている人間達に用事はない。

むしろ邪魔だ。

 

 

ここは涙を飲んでスルーしよう。

 

 

 

さて、これからどうしようか?

そういえば腹が減ってきたな。

朝飯も食べてないし、時間は11時。

久しぶりに学生食堂に行ってご飯を食べるとしよう。

 

おどおどしながらご飯を食べていれば、

オレのことを一年生と勘違いして声をかけてくれる人がいるかもしれない。

よし、学食に行こう!

 

そう思って学食まで歩いて行くのだが、なんだか様子がおかしい。

む!?

あんな建物あったっけ?

なんだか昔の学食のあった場所がおかしいぞ。

妙な建物が出来ている。

 

これは、なんの建物だろう?

もしかして・・・学食?

 

おぉーー!

学食が新しくなってるよ。

すげー、すげー、すげー!

 

 

 

よし、入ってみよう!

あまりの新しさ、格好良さに驚き、

計算した行動をしなくても、自分が一年生のようになれる。

きょろきょろしながら中に入る。

 

どうやら生協も喫茶店も留学生センターも

学食といっしょになっているようだ。

これはスゴイぞ。

まずはマップの確認だ。

一年生の演技としてでなく、純粋な目的で見取り図を見る。

 

すごい。

本気で新しくなっている。

なんか駅のホームみたいな勢いだ。

すげーよ、広いし格好いいし、第一に綺麗だ。

 

 

 

 

 

感動している所に両親を引き連れた一年生らしき女性が中に入ってくる。

おおぉ?!

結構、かわいいじゃないっすか!

ばっちりストライクゾーンっすよ。

 

神経を彼女に集中させながら、見取り図を見続ける。

すると、彼女も見取り図を見るためか、オレに話しかけるためか

オレの方に近づいてくるようだ。

 

おぉ!

良し、良ーし!!

 

さぁ、オレ様に声をかけるが良い。

「一年生ですか? はじめまして。」

そんな感じで、オレ様に声をかけて来い!

遠慮することは無いぞ。

ここにいるのは自称・あなたと同じ一年生だ。

 

と、期待して待つ。

本来ならオレの方から声をかける所だが、

さすがに両親を引きつれた人に話し掛ける勇気はないのだ。

受身姿勢で待つべし!

 

 

 ・

 ・

 ・

 

しかし!

「ねぇお母さん、すごい綺麗な建物だね。」

 

ファーック!

違うぞ。

話しかける相手を間違っているじゃないか!

そこは母親に話しかけるんじゃなくて、同じ一年生(仮)のオレに声をかけろよ。

 

まぁ、しょうがあるまい。

変な期待をしても無理ってもんだ。

あきらめよう・・・。

 

 

でも、結構可愛かったな。

しかも、彼女の声はスゴかった。

かなりの高音である。

あんた声優さんですかい?

萌え!

 

 

 

 

その親子も、オレと同じく飯を食べに来たのだろう。

と思っていたが、そのまま外に出て帰ってしまった。

残念。

電話番号聞きたかった・・・。

あの声優ボイスをもう一度聞きたいものだ。

 

 

 

 

さて、また一人きりになったところで

まずは喫茶店のメニューを確認しよう。

 ・

 ・

 ・

おぉ!

以前あった喫茶店とメニューがかなり違うぞ!

店の名前も変わっているし。

びっくりだよ。

特に値段にびっくりだ。

おいおい。

学食のAランチやBランチで1200円は無いだろう?

ここは群馬県だよ。

先日まで行ってた都内とは違うんだぞ。

マジでファックな値段だよ、ランチで1200円って。

 

 

まぁ、ここは学生食堂の方で食べるとしようか。

回れ右をしてNEW学食の方に入店。

まずはメニューを確認。

基本的には以前と変わってないね。

パンが増えているくらいか。

値段もいつもの通りだ。

こっちなら500円で十分飯が食えるぞ。

 

よし、とりあえずは飯を食おう。

腹が減ったよ。

 

しかし、迷わずトレーを取ったりすると一年生とは思われない。

ちょっと、おどおどしながらトレーを取ろう。

そしてキョロキョロ回りを見ながら商品を選ぶ。

 

 

お、ケーキがオープンフェアで1個50円だそうだ。

これはすごいぞ。

よし、ケーキを食べるとしよう。

全種類ね♪

この辺の無謀さが一年生に見えるかもしれない。 (←本当か? それは違うだろ。)

 

 

ケーキを6個トレーに乗せて会計レジへ。

うっかりカードで支払ってしまいそうだが、

そこは意識して現金用のレジへ。

学食に始めて行く一年生がカードなんて使っちゃいけない。

キャッシュで払うべし!

 

 

 

そして会計を済ませて、お茶を取る。

・・・って、それじゃダメだ!

 

一年生が何の迷いも無く、無料の茶を取るというのはあり得ない行動だ。

普通の一年生なら、お茶は有料だと勘違いしてお茶を取るはずがない。

あえてサラダドレッシングの置いてある所で立ち止まり、

物思いにふける演技をしてから、無料お茶は飲まないことにしよう。

でも、飲み物無しでケーキ6個はきついので、いったん外に出て

自販機でコーヒーを買ってこよう。

 

うむ。

ここまで素晴らしい演技だぞ。

我ながら自分の見事なまでの一年生っぷりには驚かされる。

 

 

 

 

さて、それでは窓際の席に座って、ラグビー部の練習でも見ながら

ケーキ6個を食べるとするか。

 

しばらく食べていると後ろの方の席に団体が座る。

どうやら、どこかのサークルらしい。

ポスターやら配布用のビラを作り始めた。

おいおい。

そんなことしてないで、自称1年のオレに声をかけろよ。

見学くらいなら行ってやるぞ。

 

なんで、オレを誘ってくれないんだい?

せめて、「君、一年生?」くらい聞いてくれよ。

たのむからさ。

 

オレが1年に見えないのかなあ?

やっぱり、どこか落ち着いた雰囲気とか、慣れた雰囲気とかあるのかな?

 

このままじゃいかん。

よし、キョロキョロ作戦だ。

回りをキョロキョロと見渡すことにしよう。

 

 キョロキョロ。

   キョロキョロ・・・。

 

 ・

 ・

 ・

 

って、ああああー!

やべぇ!

 

学食に向かって歩いてくる団体がいる。

あの変態的 個性的な衣装は間違い無い。

弓道部だ!

ってことは・・・・、いたよ。

知り合いがさ。

 

 

あ〜あ、このままじゃダメだな。

逃げよう。

一年生のフリも今日はここまでだな・・・。

あいつらのいる前で、「桜井和也です。はじめまして〜。」

なんて絶対に言えない。

格好では一年生でも、声ですぐにバレてしまうだろう。

 

 

仕方ない。

あと残り2個のケーキを食べたら家に帰るとするか・・・。

 

 

今日の収穫、特に無し。
声優ボイスに萌えたくらいだな。

日記のトップへ

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送