起床。

断食開始から６１時間が経過。

うむ、やはり目が覚めてすぐは腹が減っていない。

いいことだ。

今日も窓を開けて太陽にあいさつしよう！

「走れー　高速のー　帝国華撃団

　唸れー　衝撃のー　帝国華撃団♪」

　　わたしたち　正義のために戦います。

　　たとえ　それが命をかける戦いであっても

　　わたしたちは　一歩も引きません！

　　それが　帝国華撃団なのです！」

うむ。　サクラ大戦の歌を口ずさんだ所で、

今日も変態的な１日の始まりである。

っつーか今日って、ホワイトデーじゃん。

そんな変態な歌を口ずさんでいる場合ではないな。

そうだ、バレンタオンデーのお返しをしなくてはいけない！

えっ、お前は義理と人情チョコだけだったんだろ、って？

バカヤロー。

どんな者にも、どんな物にも誠意を持って対処する。

それが、オレの生き様だ！

ジェントルマンお兄の生き様なのだ。

体で払ってやるぜ！

チョコのお返しは、オレ様の熱いパトスである。

じっくりと味わうがいいさ。　（嘘です。）

はぁ、こんなことを書いていると虚しくなってきた。

やはりこの間、あの子を食べるべきだったかな・・・

いや、それはオレの仁義に反する。

「据え膳食わぬは男の恥」と言われるが変態のオレとしては

その「恥」を、１５０ｋ/時ストレートでぶち抜くべきであろう。

あの時の夜の行為をオレは後悔していないぞ。

だって好きでもない人と寝るのはオレの趣味じゃないんだ。

ごめんね。

好きな人とだけのつもりだからさ。

さて、決意も新たに体重計測。

５５．４ｋｇ

もう体重は減らないのだろうか？

断食をすれば、どんどん体重が減って行くと思っていたのに

たいしたことはないな。

もう、この体重はいつものオレの体重と変わらない。

つまらん・・・。

電話が来る。

友人（男）からだ。

友人　「お兄、今暇か？」

お兄　「あぁ、おそろしく暇だぞ。　どうした？」

友人　「今日ってホワイトデーじゃん。

　　　　　オレさ、何を返せばいいのか分からなくてさ・・・。

　　　　　教えてくれない？」

ぶちっ！　（キレました。）

お兄　「ファック！　お前、オレが今日おそろしく暇だと言った時点で

　　　　どういうことなのか理解しろよ。

　　　　そんな幸せ野郎のお返しプレゼントなんて選びたくもねーよ！」

友人　「そこをなんとか。　お前ってお菓子とか詳しいんだろ。」

オレ　「別にそんなに詳しくねーよ。

　　　　そういうのはお前自身が選ぶ所に意味があるんだ。

　　　　それに、お菓子じゃなくてもいいだろ。

　　　　お前の体で払えばいいじゃないか。」

友人　「バカか？」

オレ　「シチュエーションならばっちり計画してやる。

　　　　まず、電話で彼女をお前の部屋に誘う。

　　　　そして、バレンタオンデーありがとう。

　　　　お返しをするよ。

　　　　と、言ってズボンのファスナーを下ろす。

　　　　彼女がお前の行動にうろたえている所にこの一言だ。

　　　　『体で払うよ。』　　これでどうだ！」

友人　「出来るわけないだろ。

　　　　　オレはお前とはキャラが違うんだから。」

オレ　「おい、ちょっと待て。

　　　　オレもそんなキャラじゃないぞ。

　　　　なんでもいいからケーキでも買ってきて２人で仲良く食べれば？」

友人　「うん、じゃあケーキにするよ。

　　　　　どこで買えばいい？」

オレ　「だから、それはお前が考えろって。

　　　　ケーキ屋いっしょに行こうってのは無理だぞ。

　　　　オレ今、ダイエット中だから。」

友人　「え、そんな必要あったっけ？」

オレ　「いや。必要は無いんだけど。

　　　　なんとなく趣味みたいなヤツでしかたなく・・・。」

友人　「分かった。　じゃあ行ってくるよ。

　　　　　サンキュ。」

ふぅ、幸せ野郎はいいな。

しかし、別にお菓子にこだわる必要は無いと思うんだけどなぁ。

どこか二人で遊びにいくだけでも十分楽しいと思うんだけど。

ま、いっか。

でも、『体で払う』ってのはお勧めだ。

ところで、話は変わるが空腹感をあまり感じなくなってきた。

妙な倦怠感のような感じがある。

体がだるい。

動きが鈍い。

頭が痛い。

軽い風邪でも引いたような感じだ。

でも、熱は無い。

空腹とは何か？

食事とは何か？

そんなことを考え、悩むようになってきた。

人は何のために食べるのか？

あぁ、空腹感が麻痺してきてから数時間。

気持ちが悪くなってきた。

あらたな世界である。

どうやら、空腹にはレベルがあるらしい。

レベル１　　なんとなく腹が減る。

レベル２　　本気で腹が減る。

レベル３　　腹が痛くなる。

レベル４　　体がだるくなる。

レベル５　　気持ちが悪くなる。

さて、次のレベル６ではどうなるのかな？

まぁ予想はつくけどね。

たぶん、こんな感じではないだろうか。

レベル６（仮）　　意識を失う。

レベル７（仮）　　死亡。

いやー、簡単に想像が出来てしまう。

まいった、まいった。

あと２７時間も断食を続けなくてはならないのか・・・。

何のためにやってるんだろうね、このバカは。

でも、だんだんとこの空腹が楽しくなってきたぞ。

腹がギュルギュルと音を鳴らすたびに気分が高揚する。

他人にはお勧めしないけどね。

つい先ほど、借りてきたビデオは全部見終えた。

キャストアウェイは面白くなかったです。

ハンニバルは２回繰り返して見たのだが、見るたびに面白くなる。

不思議な映画である。

見るたびに面白くなる映画といえば、ファイトクラブも結構面白い。

ああいうファックな生活を送りたいものだ。

いや、もうすでにイカれた人生を送っている気がする。　イヤン。

ちょっと今からコンビニまで散歩に出かけて

どの「おにぎり」を食べようか見てこようと思う。

いや、待てよ。

オレ一人で決めるのは面白くないな。

っつー訳で、緊急企画です！

何の『おにぎり』を食べれば良いか考えてもらえますか？

タイムリミットは明日、３月１５日（金）の１８：００までです。

掲示板に書き込んでください。

とりあえずコンビニの『おにぎり』 or 『おむすび』でお願いします。

オレの近くにあるコンビニは以下のものです。

　セブンイレブン

　am・pm

　ファミリーマート

　ローソン

　セーブオン

　ヤマザキ・デイリー

この６つのコンビニの中で、オレに食べて欲しい物があれば

遠慮無く、掲示板で言って下さい。

お願いします！

だんだんと『ショコラ』が面白くなってきた。

登場人物達の毒っぽさが楽しめるようになってきたようだ。

やはり、レノー神父には笑わされる。

レノー神父の心理描写が今の私のＦＥＥＬと２重唱を奏でる。

以下ショコラから引用。

わたしの四旬節の節食はますます厳しさを増して、

くつろぐことを許された日にも、けっして気を抜いてはおりません。

たとえば、きょうは日曜日の酒を庭のアジサイに注いでしまい、

たしかな魂の高揚を感じました。

　・・・

実際のところ、少し頭がくらくらしますが、気分はわるくありません。

自分の節制が心地よさををもたらしていると考えると、

わたしは罪のうずきすら感じ、自分をわざわざ誘惑の道に置くことにしたのです。

かなり、レノー神父と同じ気分です。

断食による魂の高揚を確かに感じています。

そんな時、惣菜販売のトラックが家の近くを通る。

「揚げたてのポテトコロッケ、

　当店自慢のクリームコロッケ

　焼き鳥、山菜おこわ、赤飯・・・。

　ぜひご利用下さい。」

ふざけんな！

あのトラックはオレに喧嘩を売っているとでも言うのか？

売られた喧嘩は買うぞ、この野郎！

ファック　ユー！

しかし、そこはレノー神父と共に魂の高揚を楽しんでいるオレ。

シンクロ率１００％のパワーを見せてやる。

あえて、家の外に出てトラックから臭う揚げ物の匂いと戦ってやろう。

勝負だ、惣菜トラック！

あえて自分を誘惑の道に置くのである。

今、「どっちの料理ショー」を見ている。

空腹状態では絶対に見てはいけないＴＶ番組だと分かっている。

しかし、あえてＴＶを見る！

そうすることにより、私の精神の鍛錬と共に、神への忠誠が誓えるのだ。

ま、ほとんど無宗教なんだけどね。

どっちの料理ショーに出演している芸能人の人達が、

「すごい、いい匂いしますね。」

「もうたまらない！」

「早く食べさせて！」

と、大声で叫んでいる。

しかし、今のオレの状態を知っていてもそのセリフが言えるのか？

お前達、７２時間以上、水と塩だけで生きた経験があるのか？

少なくともオレにはあるぞ。

今、７３時間は生きているんだから。

はん、甘いんだよ。

へたれ芸人どもが！

しかし、うまそうだよな。

「ハンバーグサンド」　ＶＳ　「チリドッグ」か・・・

どっちが勝つかな。

う〜ん。

本当にどっちもうまそうだ。

でも、オレなら「チリドッグ」の方かな？

あの辛味。

トマトの酸味と甘味。

噛めば噛むほど美味しくなる感じ。

ソーセージのパリっとした食感。

想像しただけで、今にも首を吊りたくなる。

頼む。　草薙、ＴＶ目線で変なことを言わないでくれ。

「僕はトマトが好きなんだ。」　だって？

ちくしょう！

オレだってトマトは好きなんだよ。

あぁ、「ハンバーグサンド」もいいよな。

あふれる肉汁。

甘い肉の旨み。

あぁ、想像しただけで焼身自殺したくなる。

もう、生きているという実感が無い。

リストカットする人達は手首を切る痛みによって

精神のつらさを忘れるというが、

今なら、ちょっと気分が分かるかもしれない。

カッターの刃を出して眺めてみる。

はぁ、はぁ、はぁ・・・・。

ちょっと興奮。

でもやめよう。　本当にリスカしたくなるから。

あああああああああああああああ！

もう、たまらん。

ちくしょう、黙れテレビ。

何が「おいしい応援団」だ！？

オレにはお前達が死神に見えるんだ。

ちくしょう、黙れ内山。

何が「涙が出てきました。」だ。

そんな下手な演技見たくねーんだよ！

お前が涙を流しているくらいなら、

オレは愛液を流しているぞ。

うわあああああああああああーーーーーー！

発・狂・寸・前！！

ハ、ハンバーグがぁー、

ハンバーグがぁー！

に、に、に、肉汁がぁーー。

どうしよう、どうしよう。

手が震えるよ。

目がおかしくなりそうだよ。

あ、ハンバーグ側が冷たいビールまで出しやがったよ。

卑怯だって、それは！

あぁ、チリソースにチーズが入ってるよ、

そのチーズって何？

チェダー？　チェダーなのそれって？

お願い。

頼むから、殺して・・・。

人思いに、いっそ殺してくれー！

今夜のご注文はどっち？

結果。

ハンバーグサンドが勝ちました・・・・。

さて、それでは今から「恋ノチカラ」を見るとしようか。

疲れた。　寝る。

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